気温7℃が夏タイヤの限界は嘘?適切なタイヤ交換時期を考える
「スタッドレスタイヤ交換時期は気温7℃が目安」
スタッドレスへの交換タイミングについて調べると、よくネットで見かけるワードです。
ちょっと調べるだけでバンバン似たような記事が出てきます。
また次のような図もよく見かけます。
夏タイヤは低温用には作られておらず、外気温が7℃で性能が大幅に低下するというのが、その根拠です。
しかし同時に次のようなことを思った人も多いハズ。
「低温だろうがドライ路面ではスタッドレスは夏用タイヤに比べて明らかにグリップしない」
本当にスタッドレスに交換すべきタイミングはいつなのか。調べてみました。
気温7℃の根拠はどこ?
イギリスのダンロップのサイトに面白いテスト結果がありました。
まずこの結果に出てくるWinterTireというのは欧州の冬用タイヤです。日本よりもサラサラな雪での使用を想定されており、想定スピードレンジも日本のスタッドレスより高いです。
日本のスタッドレスタイヤの方がトレッドのゴムも柔らかくドライ路面での性能は劣ることを念頭に置いて結果を見る必要があります。
このグラフを見るとドライ路面では温度に関わらず冬タイヤに比べて夏タイヤの制動性能が優れる結果になっています。
つまり凍結路面でなければドライ状態では温度が低くても夏タイヤの方が良いということです。日本のスタッドレスのドライ性能が欧州の冬タイヤより劣ることを考えると、夏タイヤの優位性はより確実なものになります。
一方で低温Wet状態では夏タイヤは冬タイヤに制動距離は劣る結果となっています。また夏タイヤで比較しても5℃のWet路面で20℃ののWet路面に対して制動距離が11%増加することがわかります。
ただし欧州の冬タイヤは日本のものとは全く異なる性能をしており、日本の冬タイヤのWet性能を確認する必要があります。
日本のスタッドレスのウェット性能は?
JAFの制動テストの結果があります。
スタッドレスはプラットフォーム出現(5分山)なので夏タイヤの5分山の結果と比較します。
時速100kmのテストを見ると冬タイヤは夏タイヤに比べて41%制動距離が伸びていることがわかります。
もし低温環境下で夏タイヤの制動距離が11%延びたとしても、まだ夏タイヤの方が優位性があります。
よって日本のスタッドレスタイヤの場合、低温のWet路面でも夏タイヤに優位性があると思われます。
スタッドレスに履き替えるタイミングは結局いつが良い?
どんな状況でもドライ路面なら夏タイヤ>冬タイヤと感じてる人は多く、そんな事言われなくても知ってる。という人は多いとは思いますが、ネットで集められる情報で定量的に比較してみました。
基本的には雪が降るor凍結リスクに備えてスタッドレスタイヤに交換するのがベストだと考えます。
雪の降る地域→最低気温が3℃
雪の降らない地域→最低気温0℃
よって上記の目安で交換するのがタイヤの性能的にはベストではないでしょうか。
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