農道のスポーツカー。車好きにこそ乗って欲しい。軽トラのススメ
軽自動車企画のトラック。略して軽トラ。軽規格という日本独自の枠組みの中でも、機能性に特化した異色を放つジャンルです。
それ故に「遅い」、「安い」、「ダサい」。と世間一般のネガティブなイメージは否定出来ません。しかしこの車たちこそ、乗ってこそわかる、スポーツカーに匹敵する楽しさをもつ車です。
元軽トラオーナーとして、そんな軽トラの魅力を紹介していきたいと思います。
軽トラがスポーツカーな理由
・後輪駆動採用
軽トラは荷物を積むことを想定し、基本的に後輪駆動方式を採用しています。スポーツカーにとってアクセルワークで車体の挙動を制御できる後輪駆動は必須。軽トラはバッチリそれの条件を充たしています。さらに空荷であれば、後輪にかかる荷重も最低限。後輪を滑らせることだって難しくありません(滑らせた後制御できるとは言ってない)
・MT設定あり
操る楽しさを実感するにはやはりMTの方が良いでしょう。自分で変速しギアを選べる面白さ、そして何よりガチャガチャできます。軽トラは耐久性があり、コスト面でも優れることからMT設定は基本的にあります。
・2ドア&2シーター
ボディ剛性を出すためにスポーツカーはドアの枚数は最低限です。また乗車人数も多くは必要ありません。快適に多人数が移動するならミニバンでいいのです。軽トラはもちろん2ドア&2シーター。人のためのスペースは最低限です。荷物のために人はスペースを譲るのが軽トラの流儀。
・固めの足回り
軽トラの足回りは重い荷物に対応するため固めになっています。おかげでロールも車高の割に少なくスポーティな気分で走れます。重心が高いのでスポーティとは言ってません。乗り心地が悪いのもスポーツカーの証。
オススメ軽トラ3選
スバル サンバー
やはり軽トラを語る上で外せない車と言えば、「農道のポルシェ」の異名を持つサンバーのスバル製最終モデルです。
後輪にトラクションのかかりやすいRRレイアウトを採用。このレイアウトのおかげでエンジンが運転席から遠く、軽トラの中では静粛性に優れたモデルです。軽トラの中では。
スポーツカーに必須とも言える四輪独立懸架サスを採用してきます。またエンジンは軽自動車でも珍しい直列四気筒エンジン。意外と低速でも扱いやすく、高回転まで綺麗吹け上がります。スーパーチャージャーによる過給器付きモデルなら動力性能も必要十分。良い音の割に案外前には進みませんが、それもまた魅力。
また、より耐久性に特化した赤帽スペシャルも存在。
赤いヘッドカバーは赤帽スペシャルの証。マニア心をくすぐります。
ホンダ アクティ
サンバーが農道のポルシェならば、こちらは「農道のNSX」。
後輪の直前にエンジンを配置する横置きMRレイアウトを採用。後輪にトラクションを稼ぐだけでなく、マスの集中化により回頭性にも優れます。サンバー程ではないですが静粛性にも優れます。軽トラの割には。
先代モデルであればホイールベースが長く直進安定性に優れたセミキャブオーバーモデル。現行型は室内空間の広いキャブオーバータイプとなります。安全性?当たらなければどうということはない。好みによってボディタイプが選べるのも嬉しいところ。
パワーユニットはホンダの隠れた名機E07Z型エンジン。ショートストロークの高回転型エンジンで、凡庸な直列3気筒のユニットですがホンダらしく吹け上がりも良く、実用燃費にも優れます。過給器の設定こそはなく絶対馬力に優れたエンジンではないですが、NAエンジン独自のフィールを楽しむことが出来ます。
軽トラではないですが、アクティバンの4WDの4ATモデルであればエンジンは縦置きとなります。縦置きと横置きエンジンが選べる貴重な車です。
スズキ キャリイ(9代目)
オススメしたいのは9代目の丸目モデル。理由は明白です。可愛いからです。
実はこの世代のモデルは丸目と角目が混在しています。個人的にお気に入りなのは丸目の方。主にエントリーグレードが丸目だったようです。
スペックやレイアウトとしては平凡そのもの。パワーユニットはカプチーノと形式こそは同じF6A型ですが2バルブだったりターボもインタークーラーレスだったり別物。
趣味で持つなら多少性能で劣るとも見た目は大事。この丸目モデルは一部の軽トラマニアの方々からの人気も高いモデルです。個人的にも次に軽トラを所有するなら、キャリイがいいと思うくらいデザインがすきです。
とは言え、軽トラなので先述のスポーツカーとしての条件はしっかり充たしています。可愛い見た目で走りも楽しめること請け合いです。
まとめ
軽トラの魅力とオススメしたい軽トラにまとめました。
軽トラは中古相場も安く、手に入りやすい車です。当然、本来の使い方である荷物の搬送にも軽トラは威力を発揮します。道具に、趣味に大活躍の車です。
この記事を読んで軽トラの魅力に気づいたならば、ぜひ一度乗ってみてください。