車の暖機は不要?アイドリングで暖機しない方が良い3つの理由
アイドリングでエンジンが温まるまで待つ行為をやってる人、結構やってる人いますよね?特に気温の下がる冬場はやってる人も多い印象です。また、車好きの人がアイドルでエンジンを暖めているのを見る機会に遭遇する事も多いです。
このアイドリングでエンジンを暖める行為を一般的に暖機運転といいます。
エンジンは金属部品で構成されています。熱によって体積が変化するためその変化分を考慮して設計されているのですが、冷えた状態では各部品のクリアランスが想定値とズレています。
そこで負荷の小さく回転数の低いアイドリングでエンジンを暖め、各部品のクリアランスが正常値になるのまで待つというのが、暖機の目的です。
エンジンを労り車を長持ちさせる行為とされ、特に車好きの人でアイドリングで愛車の暖機をやってる人が散見されますが、同じ場所でエンジンを長時間かけ続けることになります。自宅でやると騒音や臭いで、ご近所トラブルになることも少なくありません。
昔はアイドリングで暖機は車に乗る上で必須行為でした。昔の車は冷えた状態では燃料の気化器が正常に働かず、暖機を行わないと走り出すことができなかったためです。
しかし、今の車はそんなことはなく基本的に暖機を行う必要がないとされています。
正確には暖機は必要なのですが、アイドリングで行う必要は全くありません。むしろ走行しながら暖機をした方が良いです。そう考えられる理由を3つ紹介します。
走行暖機は暖気が早く済む=エンジンに優しい
アクセルを踏みスロットルを開けると、エンジンに空気が多く燃料が多く入ります。つまり燃料が多く燃えるのでエンジンに伝わる熱量も多くなります。
それはエンジンが冷えてる時間、つまりクリアランスが正常ではないままエンジンが回ってる時間が短く済むということです。
つまり走りながら(アイドリングよりもスロットルを開けた状態で)エンジンの暖気をするということはエンジンの1サイクルあたりでより多くの熱量をエンジンに供給することになります。
つまり冷えた状態で多くエンジンを回す時間が少なくなる為、走りながら暖機を行う方が効率が良く、エンジンにも優しいということが容易に想像できます。
暖気が必要なのはエンジンだけではない。走りながら各部オイルを暖めよう
ミッションなどの駆動系部品にもオイルは使われています。またサスペンションなどの摺動部も走行中は動きます。各部ベアリングにもオイルが封入されてきます。
そのような走らないと暖まらないオイル部もしっかり暖めて動きをスムースにしてやる必要があります。
特にミッションオイルなどはフィーリングにも大きく関わってきます。車に気を使うなら、エンジンだけではなくしっかりそれらの部品も暖めて気を使ってやるべきです。
アイドリングでは油圧が低い。油圧低下はエンジンの大敵
エンジンの各部にオイルを送るのはオイルポンプという部品です。各部品の潤滑に使用するエンジンオイルを人間の血液に例えるなら、さしずめ心臓といったところです。このオイルポンプがオイルを送り出す量は多くのエンジンではエンジンの回転数に依存しており、アイドリングはエンジン回転数が最も低い状態です。
最近は可変式のオイルポンプを採用した車もありますが、アイドリングの時の油圧が最も低い設計は同じです。
エンジン回転数が低い状態ではオイルを十分に送り出すことができません。オイルを十分に送り出せないと焼き付きなどの原因となってしまいます。
もちろんアイドリングの回転数でも壊れないようにはメーカーは設計して作っており問題が生じる事はないと言って良いですが、油圧が最低限であるアイドリングはどちらかと言えばエンジンにとって嬉しくない状態であるということは間違いないです。
問題がないとは言え、わざわざ意図的にエンジンに辛い回転数を長く維持する必要もないと思います。
まとめ
アイドリングで暖機が不要な理由をまとめてみました。車はエンジンをかけてすぐ走り出せるなら、走りながら暖機するのが効率がよく車にも優しいという理屈があるのがわかって貰えたかと思います。
ただ、各部品のクリアランスが正常では無い冷えた状態でエンジンを高回転まで回すのは控えた方が良いと思われます。その辺もメーカーは想定していると思いますが、エンジンに気を使いたいなら暖機走行中は、なるべく高回転まで回さない丁寧な運転を心がける方がエンジンには優しいです。AT車なら基本的に低回転が維持されるので普通に走って問題ないですが、MT車は気持ち早めのシフトアップを心がける方が良いと思います。
また、当然ながら自宅駐車場などでアイドリングで暖機することは燃料を無駄に消費するだけですし、騒音トラブルを招く原因にもなります。よってアイドリングで暖機するメリットはほぼないかと思います。
もちろん窓が凍結した場合、キャブ車で十分に燃料が気化せず走り出せない場合などはアイドリングで暖機を行い、車を暖めて走行可能な状態にする必要があります。
キャブ車もエンジンがかかりチョークさえ引いてしまえば、冬場も案外すぐに走り出せる車両も多いので、私自身は四輪の窓が凍結した時くらいしかアイドリングでは暖機しません。
そのように走り出せない時はアイドリングで暖機を行う必要がありますが、基本はアイドリング暖機は行うメリットも必要もないと考えて良さそうです。
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