意外と大勢が得をする?走行税を調べてみた

政府が自動車に課す税金として新たに、走行税の検討をしているというニュースが話題になっています。

これ以上に車関係の税金の徴収が増えると車社会の地方がさらに過疎化する懸念もあり、ネット上でも否定的な意見や怒りの声がが目立っています

何故、今になって走行税が検討されているのか、どのような税金なのか調べてみました。

走行税とは?

走行税とは文字通り、車が走ったことに対して税金を課すことです。走った距離に応じて税金を課す仕組みのことです。距離を走れば走るほど税金を課すことになります。

実際にニュージーランドでは導入されており、燃料税のかからない軽油で走るトラックやバスなどに導入されています。5000円/1000km徴収される制度であり、事前に走行距離を申請し納税します。申請した距離だけ走れる仕組みで、タイヤについたGPSのロギングデータの照会する抜き打ちの取り締まりを行うようです。

何故、走行税を導入するのか?

走行税を導入することを検討する理由は1つです。それは車の電動化による税の減収を補うためです。現在、走行税の役割を果たしているのが燃料に含まれている税金です。ガソリンには、ガソリン1Lにつきガソリン税53.8円、石油税2.8円が課せられています。また、軽油には、軽油1Lにつき軽油引取税32.1円と石油税2.8円がかけられています。

これらは燃料を消費するほど納税する金額が増えることになり、走行税と似たような役割を果たします。また、より道路を痛める燃費の悪い車(車重のある車)が多くの税金を払うことになり、納税の公平性がある程度ある制度と言えます

しかし、昨今は車の電動化が進むことによってEVやHEV車などの燃費の良い車が増えてきました。燃費の良い車が増えるほど、燃料の消費量は減るために税収が少なくなっていくことになってしまいます。そこで導入が検討されているのが、走行税です。走行税の導入によって、EVやHEV車のように燃料消費の少ない車からも税金を徴収できるようにして、税収を確保するのが目的です。

走行税は具体的にどうかなる?得する人、損する人は?

先程も述べたように、燃料にはガソリン税、軽油取引が既に含まれています。つまり走行税が実際に導入されるとすれば、ガソリン税や軽油取引税は撤廃される可能性が高いです。二重課税になるだけではなく、地方の交通負担が増えて都市部への人口集中が加速したり、物流コストが跳ね上がり経済に悪影響を及ぼす可能性があります。

税金は公共事業のためにも取る必要がありますが、取れば取るほど経済的負担を大きくし、経済が滞り税収が減る負のスパイラルになりかねません。そのバランスが大切であり、走行税がそのまま上乗せされる可能性は少ないと思います。

走行税は燃費に関係なく徴収される仕組みです。燃料の税金の代わりになるならば、実は得する人が出てきます。

もし、ニュージーランドと同じく5000円/1000kmの金額で徴収されると仮定します。そうすると納税額は5円/1kmとなります。

この金額は実はガソリン車なら11.32km/L、ディーゼル車なら6.98km/L走る場合には同じ納税額となります。(ガソリン税 or 軽油取引税+石油税を納税対象として計算)

この数字より燃費の悪い車に乗っている人は、「今より納税金額が減る」→「ランニングコストが下がる。」ことになります。つまり走行税を導入されると得をすることになります。ガソリン車でもミニバンなどの大型車に乗っている人には得になる制度なりそうです。ミニバンが相当売れてる日本では、その恩恵に預かれる人は多そうですね。アルファードやエルグランドクラスなら間違いなく得するでしょう。またガソリン車より税収が増えがちなディーゼル車も、トラック業界などには恩恵がありそうです。

一方、高い初期費用を払ってHEV車や燃費の良いディーゼル車を買った人は燃料の優位性がさらに小さくなることになります。EVを買った人も当然ながら同様ですね。今まで払っていなかった税金が増えるために、単純に負担が増えるだけになってしまいます。

このようになってしまうと、高いお金を出してまでハイブリッドカーや電気自動車を各メリットがさらに小さくなります

これはCO2削減のためにエコカーを推していきたい自動車メーカーや国にとってはその方針に逆行する政策となりかねません。

まさに走行税の導入に関しては、税収を増やす可能性があるも減らしかねない諸刃の剣と言えそうです。

まとめ

導入が噂されている走行税についてまとめてみました。燃料税と入れ替わりであれば、意外と得をする人が多い制度だということが計算するとわかりました。

しかしエコカー購入車が減ってしまう要因にもなる走行税。徴収の仕組みも含めて、日本では導入は現実的ではない仕組みのように思います。

とは言え電動化により財源が減るのは大きな問題。何かしらの電動化した車に対する税金が増えることは間違いないと思われます。

車雑談

Posted by 管理人