HEV大国モンゴルの車事情
先日、モンゴルへ旅行へ行ってきました。モンゴルの車事情がなかなか独特で面白かったのでこのblogで紹介しようと思います。
モンゴルは東アジア北部に位置する世界一、人口密度の小さい国です。日本から飛行機で5時間程度。首都はウランバートルです。
ゲルで家畜と移動しながら生活する遊牧民が有名ですね。
草原にラクダってなんか違和感・・・フタコブラクダはモンゴルや中国北部原産のラクダです。モンゴルでは家畜として飼育している家もあります。
また、モンゴルはモンゴル相撲があり、日本の相撲会にも有名力士を多く輩出しています。
モンゴルの気候の特徴は冬の極寒。中国より北に位置し、海がなく内陸のモンゴルは非常に冬は寒くなります。
そして、そんなモンゴルの車事情は結構独特です。まず、モンゴルでは大半は日本からの中古車だそうです。全体的に所得が低いからですね。稀に新車のランドクルーザーなどに乗っている人もいます。一応、ウランバートル市内にトヨタのディーラーはありました。
旅行で行った際にツアーで用意されていた車は三菱デリカスペースギアでした。
他にも懐かしい日本の車をたくさん見かけました。そのためモンゴルは右側通行ですが、殆どの車が右ハンドル仕様になります。追い越しの時は助手席の人のフォローが必須になります。
そして驚いたことに、モンゴルは実はハイブリッドカー大国です。
世界で最も電動化が進んでいる国のひとつとも言えるくらい、街を走る車は殆どがハイブリッドカー。特にプリウスの数が凄いです。プリウスのオフ会でもあるんですか?というレベル。街でどこを見てもプリウスだらけです。
何故、ここまでハイブリッドが流行っているのか。モンゴルの人に聞いたところ、極寒の中での始動性が良いからとのことでした。
普通のガソリン車では、あまりにも寒すぎてプラグがカブってしまい、ライターの火などで炙ることもしばしばあるそう。この対処方法はモンゴルで車に乗るには必須知識のようです。
一方、電気で走り出すことのできるハイブリッドは冬のモンゴルでも問題なくエンジンを始動できる場合が多くて助かるんだそうです。また税金も優遇されるそう。そういった理由から、特に信頼性の高い世界のトヨタのハイブリッドカーに乗る人が多いんだそうです。
日本ではプリウスの盗難率が高いですが、盗難されたプリウスの行き先は恐らくこういう所なんでしょうね。
そして、もうひとつ日本じゃ珍しいのはタイヤ径アップ&リフトアップの改造が一般的なこと。
2代目プリウスですが、車高を上げるために径の大きいタイヤを履いています。
こちらのカローラはリフトアップされています。
モンゴルは舗装された道が少ないため、不整地を多く走ります。遊牧民は当然、舗装された道よりもオフロードを走る機会の方が多いです。
プリウスがオフロードをガンガン走り、小さい川程度なら超えることもよくあります。そのため最低地上高を上げた改造が良く見かけました。そしてそんな事情からSUVも人気があります。やはりランドクルーザーは人気が高いようですね。日本ではあまり見かけない先代ハリアーハイブリッドも沢山見かけました。
そして燃料事情も日本とは違い少し特殊です。ハイオク、レギュラーに相当する燃料を売っていますが、市街地から外れるとハイオクが買えないガソリンスタンドもざらにあります。軽油は少し高いです。
日本では有り得ないオクタン価80という燃料もありました。オクタン価は燃料の着火のしやすさを示し、日本のレギュラーは89以上、ハイオクは96以上です。実際市場に出回っているのは前者が91程度、後者が100程度が多いです。ノッキングを考えると恐ろしくて使えないオクタン価の燃料です。
圧縮比の低いエンジンを積んだロシア製の車などで使えるみたいですね。ウランバートルから離れるほど、この燃料しか置いていないリスクもあるので、砂漠超えにはロシア車は必須だと言っていました。
UAZ 3909
— 好き勝手に車を語るアカウント (@talking_car) August 1, 2019
シベリアの悪路を走りきるための本格ラダーフレームを持つロシア製1BOX。60年以上形が変わらない。日本ではキャブ仕様が買えたが、規制対応のFIモデルに変わった。現在はより近代装備の2206が新車で手に入る pic.twitter.com/fnFdvBmQyD
このUAZは結構、モンゴル国内でも見かけました。
ちなみに遊牧民は車を数台持っていることが普通です。ゲルや家財道具を運ぶためのトラックと普段使いの乗用車。余裕があれば家畜の管理のためにバイクにも乗ってたりします。
遊牧民の遊牧も時代に合わせてかなり現代風になっているんですね。